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SEIANOTE

成安で何が学べる?
どんな楽しいことがある?
在学生の制作活動から卒業後の活動までを綴る
「SEIANOTE(セイアンノート)」です

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友達との楽しい“ご近所付き合い”と、学びを活かすアルバイトの日々

NOW SEIAN
ライフスタイル編

友達との楽しい“ご近所
付き合い”と
学んだことを活かせるアルバイトの日々

吉田さやかさん

メディアデザイン領域・
グラフィックデザインコース 4年生

成安造形大学から徒歩1分の「YOHAKU」に入居する吉田さん。
学生専用の賃貸アパートでの暮らしぶりと
成安生ならではのアルバイト事情に迫ります。



片道3時間の通学時間を
「YOHAKU」暮らしで制作時間に

 吉田さやかさんがひとり暮らしをしている「YOHAKU」は、成安造形大学の学生専用の賃貸アパート。2016〜2018年の間に3棟が完成し、総戸数は88室。入学予定者は合格発表後から申し込み、抽選で入居が決まるのですが、「YOHAKU」の第1棟が完成したのは、2016年3月。吉田さんが3年生になる直前でした。
「1年生のときからずっと大阪の実家から通っていたんですけど、通学時間に3時間もかかるし、機材を借りて帰るのにも重たくて大変で……。『YOHAKU』が完成して、まず在学生に募集がかかったんですけど、両親も『専用アパートなら』と、ひとり暮らしを許してくれたので応募しました。在学生で実家がちょっと遠い子たちは、もうひとり暮らしをはじめていたので、そんなに応募人数も多くなく、抽選なしで入居できたので今思えばラッキーでしたね」

大学から徒歩1分のところにある「YOHAKU」。在学生の意見やアイデアを取り入れながら、成安の教員がデザインを担当。吉田さんはできたてホヤホヤ、新築の部屋に入居。

 大学生のひとり暮らしの平均家賃相場は5万円前後と言われていますが、「YOHAKU」は家賃3万円。しかも、ワンルームではなく、アトリエ・リビング・ベッドルームがある約25㎡の部屋は、かなり広々。4つあるルームタイプのうち、吉田さんが暮らすのは、トイレ・バス・洗濯機・洗面台が並んで配置され、生活動線がスムーズな「ベッドルーム」タイプ。手前のアトリエスペースには、手描きでイラストを描くときに使用する作業机、リビングには PC やテレビ、部屋のいちばん奥のベッドルームには趣味のものと、部屋のなかでオン・オフの空間が自然とつくられています。

吉田さんの部屋。エントランス入ってすぐのアトリエスペースには作業机。絵の具などを使ってイラストを描くときは、この作業机で制作。

3年生のときに、京都のギャラリーを借りて自主的に開催したグループ展のために制作したZINEと原画。“映画に登場する食べ物”をテーマにイラストを描いた。


「おかずつくりすぎたから、もらって〜」のLINEで
タッパ持参で友達の部屋へ

 学生専用アパートなので、当然ほかの部屋に入居しているのは在学生ばかり。はじめてのひとり暮らしで、最初はホームシックになったという吉田さんも、しばらくすると「YOHAKU」での暮らしを満喫するようになりました。
「最初の1ヶ月はすごく寂しくて、眠る直前までずっとテレビをつけていたんですけど、そのあとはもう全然! ひとり暮らしを楽しんでましたね。電車の時間を気にせずに大学で制作できるし、友達も泊めてあげられるし、ベタですけど“おかずつくりすぎたから、もらって〜”とLINEが来てパジャマのまま同じフロアに住む友達の家に行ったり」

ひとり暮らしで覚えた料理。キッチンにはレシピをメモしたノートや、野菜の保存方法を書いたメモが。ちなみに、「YOHAKU」では冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・ベッドフレームが完備されている。

「大学の目の前やし、静かなので家でも制作に集中できます。ただ……スーパーがちょっと遠くて、20分くらい歩くんですよ。でも、そのおかげで歩く習慣がついて、毎日ウォーキングして健康的な生活ができています(笑)」
実家にいるときはまったく料理をしなかったものの、節約のため、基本的にごはんは自炊。ときには友達と一緒に食べたり、おかずをわけあったりと、「YOHAKU」ならではの“ご近所付き合い”ができるのも、このアパートならではの魅力です。

卒業制作で絵描き歌を制作する予定の吉田さん。リビングでウクレレを練習しながら絵描き歌を考案中……。


アルバイトは大学を利用して
イラストやデザインの制作で
実績をつくる

 大学生のひとり暮らしとなれば、気になるのはお財布事情。日々の食費や交通費、画材を購入したり、展覧会を観に行くのにもお金がかかります。そこで、吉田さんにアルバイトのとをたずねてみると、こんな答えが返ってきました。
「大学に“ちれん”と呼ばれる地域連携推進センターというのがあるんです。その“ちれん”で、似顔絵やデザイン、イラスト制作の仕事を紹介してもらって、アルバイトをしています」
「ちれん(地域連携推進センター)」は、地域・社会・企業と学生をつなぐことを目的に設立された大学内の機関。あらかじめ学生が「ちれん」に登録しておくと、官公庁・一般企業・各種団体から「ちれん」に依頼があったとき、課外活動として制作(アルバイト)ができる「学生クリエーター制度」があります。
「アパートは大学にめっちゃ近いんですけど、近所にアルバイトするところが少ないんですよ。かといって、最寄りのスーパーでアルバイトすると、買い物しずらくなるし(笑)。
あと、私は1年浪人して成安に入学したんですけど、正直言うと、第一志望じゃなかったんです。だから入学したときは“何かしないといけない”と焦っていて……。それで、お金も稼げるし、絵も描けるので学生クリエーター制度に登録して、1年生のときからやっていました。はじめてのお仕事は似顔絵でしたけど、それからポスターのデザインやアニメーションなど、色々とやらせていただきました。はじめてアニメーションを制作したのも、このアルバイトがきっかけでしたね」

とある案件の謝礼として、吉田さんが希望した150色セットの色鉛筆は、今もイラストを描くときに活躍中。

 吉田さんが学生クリエーター制度で担当した案件は、1年次で10件、2年次で12件、3年次になると60件にもなります。なかには、ほぼプロと変わらないくらいの報酬の案件も……。しかし、いくら学生といえども、クライアントがいる以上、納期やクオリティはプロの仕事と同等のものが求められます。授業の課題と仕事は別物なので「やっぱりできませんでした」では通用しません。これだけの案件を担当できたのは、吉田さんの真摯に向き合う姿勢があってこそ。
「クライアントとのやりとりは、直接私が行うのではなく、大学の職員さんに間に入ってもらっているので、社会人と比べるとかなり守られている環境だなとは思います。課題では“これが私の作品です!”って提出して評価してもらうんですけど、学生クリエーター制度では先方に“もう少しこうしてほしい”と意見をいただいて、修正しながらつくります。学生のうちに、そういった経験ができるのはすごく貴重だと思います」
現在4年生の吉田さんは、就職活動の真っ最中。就活のポートフォリオには、自身の作品のほかに、学生クリエーター制度を通じて担当したデザインやイラストがたくさん詰まっています。

学生クリエーター制度で担当した、大津市科学館のクイズタッチパネル用イラスト。制作期間4ヶ月で50点ものイラストを制作・納品。

 「ここだけの話……、私が第一志望だった大学に入学した友達に、成安での制作や暮らしぶりのことを話すと“めっちゃええやん!”て言われることが多かったんです。設備や機材も充実しているし、『YOHAKU』ができたから制作に集中できるひとり暮らしもできたし、大学を通して、デザインやイラストのアルバイトができるのもすごく良かったなと。あと少しでここを出て行くので、今、しみじみ感じています」


吉田さんの家計簿
(ひと月に最低限かかるお金)

家賃:30,000 円
共益費:5,000 円
水道代(一律):3,000 円
諸費用:500 円
インターネット使用料(一律):1,000 円
備付家具使用料:1,000 円
食費:1 万円
制作費:月によって異なるが 2,000 円〜5,000 円くらい

計 52,500 円〜55,500円