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SEIANOTE

成安で何が学べる?
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在学生の制作活動から卒業後の活動までを綴る
「SEIANOTE(セイアンノート)」です

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活動も勉強も好きなことができる環境って本当にありがたいと思う。

NOW SEIAN
ライフスタイル編

活動も勉強も好きなことができる環境って
本当にありがたいと思う。

三輪泰生さん

地域実践領域・
クリエイティブ・スタディーズコース 2年生

大学の授業における研究やフィールドワークにとどまらず、
学外でのプロジェクトにも積極的に関わる学生がたくさんいます。
中でもアイドルとお寺の異色コラボのプロデュースで注目を集める
地域実践領域の三輪さんに会いに行ってきました!



〝学まちコラボ〟に認定された
「アイドルでお寺を元気に」って?

 京都市と(公財)大学コンソーシアム京都が主催する「2019年度 学まちコラボ事業」の文化枠事業として認定された「てら*ぱるむすの活動を通したお寺の新たな役割の発信」。これは、地域実践領域2年の三輪泰生さんを中心に京都や滋賀の複数の大学の学生が連携して活動しており、「お寺文化に触れるときっかけとなること」をコンセプトにしたアイドルで「お寺を元気にしよう」という取り組みなのだとか。
「え?お寺?アイドル?」と、疑問がいっぱいの方も多いはず。そこで、このプロジェクトの運営をしている三輪さんにお話を聞いてみました。

自然の多い地域で育った三輪さん。「山を登ってお寺にラジオ体操しに行ったり、お墓まいりしたり。自然もお寺も僕の中では違和感がなくて。てら*ぱるむすの取り組みもスッと入ってくる感じでした」


訪れる人が少ないお寺に
遊びに行くきっかけを作りたい

 お寺って、本来は地域の人が集まってくる場所で、僕も子どもの頃に境内
でラジオ体操をしていました。存在が特別なものでなくて、当たり前というか自然なものでした。でも、今、人手不足や経営が成り立たずに消えていくお寺がとても多いそうです。一部の大きな観光寺は別として、お墓参りや法事以外でお寺を訪れる人も少なくなっています。本来、地域のコミュニティであるお寺に人が来ない…ということは、いずれお寺の経営問題にも関わってきます。『そうならないために何ができる?』と考えた時、まずは、お寺に来てもらうきっかけが必要だったんです。じゃあ、仏教をコンセプトにしたアイドルグループにお寺で活動してもらおうって」。
三輪さんは、この取り組みを立ち上げた先輩たちからプロジェクトを引き継ぎ、今年から運営を行なっています。

大学生らしからぬ落ち着いた話ぶりは「活動でいろんな方とお話しをするので(笑)。あと、プレゼンテーションをするのが好きだからでしょうか」


浄土系アイドル『てら*ぱるむす』
仏教をテーマに活動中

そんな気になるグループの名前は、『てら*ぱるむす』。自らを〝浄土系アイドル〟と名乗り「衆生(ファン)と共に修行する」がコンセプト。「現在、月に2回のペースで京都や滋賀のお寺でライブを行っています。楽曲は、仏教をテーマにしたもので、御仏の教えが歌詞にも出てきます。それと、木魚を叩いて歌います(笑)。衣装は、袈裟(けさ)をモチーフにしていて、成安造形大学のコスチュームデザインコースの友人に作ってもらいました」。
また、ライブでは、お寺の住職に心得をお話しいただくなどワークショップも開催。仏教の教えの素晴らしさや、日本人が古くから親しんできた拠り所としてのお寺の役割もフィーチャーしています。
ファン層も多彩で、グループのファンや仏教好きの人のみならず、お寺を継ぐ立場の若い方たちが「今後の参考に」とライブに訪れるそう。「これからのお寺のあり方を模索している人が多いんだと思います。お寺以外にも、大阪の地下アイドルイベントにも出演したりして新規ファンの開拓もしています」。

さらに『てら*ぱるむす』は、これまでにミニアルバム2枚とシングル1枚、を発売。近々、9曲入りのCDを発売予定だとか。
「今、準備をしていますが大変ですね(笑)。いろんな方にアドバイスをもらったり、教えてもらったりしています。アイドルプロデュースでは、多くの方と仕事をするので、みんな考え方が違います。悩みは多いですが、普通の大学生では関われないような方に出会えるのは、この活動の特権ですね。先日はイベントのことで三井寺の住職にお会いしてきました」。

女性5人組の浄土系アイドル。お寺の本堂などで開催されるライブには、ペンライトで推しを応援するファンの姿も。CDの発売が楽しみ


お寺をみんなが集える
コミュニティスペースに

ライブをしたり、CDを出したりと活動の場をどんどん広げていますが、三輪さんは『てら*ぱるむす』を〝ただのアイドル〟では終わらせたくないと考えているようです。
「『てら*ぱるむす』は、アイドルをしながら地域の課題や街づくりにも関わっていて、ほかのアイドルにはできないことも、できていると思っています。僕は、お寺に新しい役割というか、来るきっかけができれば、人が集まって元気になる気がします。お寺が地域のコミュニティスペースになって、地域にとってかけがえのない存在になってくれたらいいなぁって。『てら*ぱるむす』がお寺と親しむきっかけになればうれしいですね」。


将来も好きなことを続けたい。
芸大で地域を研究できて良かった

プロデュース業で大忙しの三輪さんですが、自身の将来についてたずねてみると「卒業しても『てら*ぱるむす』をずっと続けていきたいですね。学生の取り組みから発展させて事業として成り立つよう頑張っているところです。大学の授業では、農業と林業のシステム作りを勉強しています。幼い頃から自然に触れる機会が多く、山の環境について興味を持っていました。この研究を進めて、何か貢献できる成果を出せれば嬉しいです。また、同じく〝自然つながり〟で食と農業を考える『ミノリブ』というサークルにも所属しています。高島市の畑を借りて自然農法にチャレンジし、収穫した野菜を学内のマルシェで販売することも考えています。こんな風に好きなことを課題にして、自由にやらせてもらえる環境があって、ありがたいなと思うんです。考え方とかアプローチの仕方とか『てら*ぱるむす』につながる学びも多くて、芸大で地域や文化について学べる、成安の地域実践領域を選んで本当に良かったなと感じています」


てら*ぱるむす

「煩悩多き衆生(ファン)とともに修行する」をコンセプトに京都市龍岸寺を拠点に活動している、学生中心の浄土系アイドルグループ。人々が気軽にお寺に立ち寄る機会を作り、お寺と人々の距離を縮めることを目標に活動している。2019年から京都市のサポートのもと地域貢献事業もスタート。地域の人々とお寺がつながれるようなイベントを開催中。


てら*ぱるむす公式サイト