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SEIANOTE

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在学生の制作活動から卒業後の活動までを綴る
「SEIANOTE(セイアンノート)」です

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卒業制作展2018レポート 【ファッションショー編】

REPORT

卒業制作展2018レポート

重要文化財での
ファッションショー編

バックステージでは朝から
本番に向けて大忙し

成安造形大学の卒業制作展恒例となっているのが、重要文化財でもある京都文化博物館でのファッションショー。卒業を控えた4年生だけでなく、3年生も参加し、モデルや裏方スタッフも含め、学生たちが一丸となって取り組むショーを裏側までたっぷりとお届けします。

ファッションショー「SEIAN COLLECTION 2018 -costume-」は、14:00と18:00の2回公演。朝9:00から学生たちは会場入りし、メイクや作品の最終調整に大忙し。楽屋の机にはプロ顔負けのメイクパレットがズラリと並び、後輩の学生たちも、ヘアやメイクを手伝っていました。


10:30からはリハーサル。本番同様に、モデルが次々とステージにあがっていきます。モデルたちも出品する学生たちが作品のイメージに合う人を探し、学内でスカウトした学生たちですが、音響や照明、スクリーンに映し出す映像を担当するのもメディアデザイン領域や空間デザイン領域の学生たち。裏方を経験することで、表舞台の見え方が変わったり、プロから機材の使い方を教わる貴重な機会にもなっています。

 

バックヤードでは、リハーサルを終えた学生たちに、ショーで衣装がより良く見えるように教員のアドバイスを受けて最終調整する姿も。開演の時間が迫るにつれ、舞台裏では少しずつ緊張感が増していきます。

ショーの幕開けは
力作揃いの3年生から

14:00、満席のお客さんが待つなか、いよいよショーがスタート。まずは3年生の作品から。

トップバッターで登場したのは、堀口和行さん「Good old play」。照明の下でキラリと輝いていたMA-1ジャケットは、帯をほどいて制作したものだそう。衣装だけでなく小物など細部までこだわりが光る全7ポーズは、とても服づくりをスタートして3年とは思えないクオリティ。



折り紙のようにオーガンジーを折ってつくられた西田明莉さん「美意識革命」や、サボテンやクラゲをモチーフにしたデザインに客席から「かわいい〜!」と声があがっていた大江紗由里さん「混在」など、来年の卒業制作が楽しみになる全7名の作品が発表されました。

4年生は衣装+パフォーマンスで
独自の世界観を舞台上で表現

4年生は5名がショーに参加。卒業制作展では、大津市歴史博物館で作品が展示されていましたが、やはりマネキンに着せている状態と、モデルが着用して動きのある状態では、印象が大きく変わります。

とくに、優秀賞を獲得した土屋亜希子さん「体の線」は、1枚の布が衣服になるまでのプロセスをショーのなかで表現。展示ではテキストでしか説明できなかった作品の意図が、舞台上で見事に表現されていました。

ただウォーキングするだけでなく、作品の世界観に合わせた個性的な演出も4年生のショーの見どころ。身体表現を絡めたパフォーマンスや、生歌を披露する学生など、趣向を凝らした演出で一気に観客を自分の世界に引き込みます。

展覧会やポートフォリオとはまた違う、生きた空間をどうデザインするかが求められるファッションショー。それぞれがユニークな演出で表現できているのは、もしかすると美術やデザインなど他領域との距離が近い環境で刺激を受けている影響もあるのかもしれません。

4年間積み重ねてきたことがギュッと凝縮されたショーは、舞台上に集合した全作品に贈られる大きな拍手で幕を閉じました。


取材日:2018/02/15
取材・文:小西七重
写真:金 サジ