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SEIANOTE

成安で何が学べる?
どんな楽しいことがある?
在学生の制作活動から卒業後の活動までを綴る
「SEIANOTE(セイアンノート)」です

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念願だった海外留学 「願いは叶うよ」って、高校生の自分に言いたい

NOW SEIAN
制作活動編

念願だった海外留学
「願いは叶うよ」って、
高校生の自分に言いたい

青木里奈さん

総合領域・
総合デザインコース4年生

念願の海外留学を終えて企画した総合領域4年生・青木里奈さん。
はじめての海外、はじめてのひとり暮らし。
“はじめて”だらけの海外生活で学んだこととは……?



成安への入学は
留学が目的のひとつ

 成安造形大学には、留学制度があります。イギリス、ドイツ、アメリカの芸術系大学4校と提携し、海外のアートやカルチャーを肌で感じながら学ぶことができるのです。
 総合領域4年生の青木里奈さんは、この制度を使って、3年生9月から翌年2月までの半年間、ドイツのマンハイム専門大学に交換留学。実は青木さん、高校生の頃からの念願叶っての留学だったそう。
「高校生のとき、成安のことを調べて交換留学制度があることを知って“ここに行きたい!”と。成安に入学したひとつの目的が留学だったんです。入学してからもずっと先生に『留学したい!!』と言い続けていて、英語の授業を受けたりしていました」


英語の勉強をしていたけど……
留学先はまさかのドイツ!?

 青木さんの第一希望の留学先はイギリス。ただ、そのときイギリス留学を希望している学生は何人もおり、留学できる人数も限られていました。ドイツへの留学枠ならあいていると知った青木さんは、あっさりとドイツへの留学希望を提出します。
「英語は勉強していたんですけど、ドイツ語は全然(笑)。でも、ドイツのマンハイム専門大学から成安に交換留学で来ていた学生たちと仲良くなるうちに『ドイツもいいやん』と思いはじめていたので、イギリスからドイツに留学先を変更するのは、それほど抵抗がなかったです」

100年以上の歴史を誇るドイツのマンハイム専門大学。デザイン学部に1学期間留学が可能で授業料は免除。また、必修科目の単位認定により、留学期間を含めて4年間での卒業が可能。

 海外旅行も、ひとり暮らしの経験もなく、不安をいっぱい抱えてドイツへ出発。飛行機のなかでは、はやくもホームシックになりながらも、到着するころには「もう帰られへんし!」と気分一新。マンハイムに行くと、“バディ”と呼ばれるお世話役の学生に歓迎され、本格的にドイツでの大学生活がはじまりました。


ドイツでの学びは
悔しさと、衝撃と、再発見

 マンハイム専門大学では、ドイツ語とデザイン科の授業(タイポグラフィ、エディトリアルデザイン、イラストレーション)を履修。授業はもちろんドイツ語です(運がよければときどき英語)。
「成安でも英語の授業はずっと受けていて、読んだり、書いたりすることはできても、話す機会がやっぱり少ないので全然マスターできなかったんです。実際のところ、英語が話せないのは悔しかったですね。あまり話せないから無口になっちゃうんですけど、そんなときに、インドからの留学生が『全然気にしないで、喋ったらいいよ!』って励ましてくれたり。そうやって背中を押してもらえたから、頑張って先生と話してみようと思えたりしました」

心強かった”バディ”の存在と、”バディ”を通して仲良くなったインドからの留学生。休みの日には、インド人の留学生とその友人とで旅行にも。

 休みがあると、ドイツのカッセルで5年に一度開催される世界的アートの祭典『ドクメンタ』をはじめ、フランクフルトのブックフェア、ドイツから電車で行けるフランスやベルギーなど周辺国にも足を運んだ青木さん。

留学が決まってから現代美術コースの先輩に『ドクメンタ』の存在を教わり、カッセルへ。小さな街に世界中からアート作品を観るために人が訪れ、展示作品のスケールにも驚愕。

 言葉も違えば、文化や価値観も違う場所。日本では見たことのない皮肉交じりのストレートで強烈なメッセージを含んだポスターなど、デザインにも衝撃を受けつつ、青木さんは文化の違いを感じることで、“日本にしかないもの”をあらためて考えたそう。
 いちばん楽しかったのは、タイポグラフィの授業。テーマが自由だった課題では、インドから留学に来ていた学生とお互いの国の文字について教え合い、合作することに。青木さんが制作したのは、インドからの留学生が使っていた文字「デーヴァナーガリー」と平仮名を組み合わせた新しいアルファベット「ヤバナーガリー」。
「アルファベットのデザインも魅力的なんですけど、あらためて日本語の文字って、音もかたちもキレイだなと。アジアの国々は、日本も中国も韓国も、それぞれがアルファベットではない、自分たちの国の文字を持っていて、そのこともなんだか誇りに思えました」

ドイツ語の「A」「B」「C」発音を平仮名で書くと「あー」「べー」「つぇー」になる。同じようにインドの文字・デーヴァナーガリーでも友人に書いてもらい、それらを組み合わせてオリジナルのアルファベットを制作。


留学を経験した今、大切にしているのは
焦らず、自分らしく、楽しむこと

 ホームシックになる暇もなく、半年の留学期間を終えて帰国し、自分のなかの変化に気づいたという青木さん。そのひとつが、自分に自信を持つようになったこと。
「ドイツで何度も『日本はこんなに素晴らしいところなのに、日本人は自分に自信がなさすぎる』と言われていて(笑)。カルチャーも含め、日本のすごいところや魅力的なところを、ドイツで出会った人たちに気づかされました。できることにはきちんと自信を持っていたいし、日本の魅力も海外の人にちゃんと表現できるようになりたいなと思うようになりましたね」

帰国後「英語をちゃんと勉強したい!」と、英語の勉強を継続中の青木さん。国内で訪れた先々でキレイな景色の場所を見つけると、積極的にSNSで発信するようにしている。

 帰国したのは2月。3年生が終わり、就職活動がはじまろうとしていました。留学中にドイツでいろんな働き方のスタイルや、考え方に触れた青木さんは、「就職すること」よりも「自分がどんな場所で、どんなふうに働きたいのか?」を考えるようになったそう。
「日本だと、『大学を卒業したら就職しなきゃいけないし、作家はできないな』って考え方の人も多いと思うんですけど、ドイツの人は全然そんなことはなくて。『作家になるためには、こういうサイトで支援を募ったり、プレゼンしたほうがいい』とか、自分なりの方法を考える人も多い。どちらがいい、悪い、とかではなく、全然違う価値観や考え方も知っておくことが大切だなと思いました。私は今、就職活動中ですけど、やっぱり海外で生活したい気持ちもあるので、焦らずに自分らしく就職活動しようと思います」


青木さんの
留学スケジュール

2年生
11月 ・大学の担当窓口に留学の相談
・留学希望先をイギリスからドイツのマンハイム専門大学へ変更
1月 ・英語の試験と面接
・ドイツのマンハイム専門大学への留学が決定
3年生
9月 ・マンハイム専門大学に留学
・ドイツ語の集中授業をみっちりと受ける
10月

12月
・エディトリアルデザイン、タイポグラフィ、イラストレーションの授業を履修しながら、週4回はドイツ語の授業も
12月下旬

1月上旬
・冬休み
1月下旬 ・制作発表(プレゼン)期間
2月 ・帰国